包装資材のライフサイクル・アセスメント(LCA)は、その生産からユ−ザ−の手許までの輸送、さらにはパッケ−ジされて製品が出荷されるまでの環境負荷、つまりト−タルのCO2の排出量で評価される。パルプモ−ルドが工業製品の梱包材として使われるようになったことで、それまで主流をなしていた発泡スチロ−ルと、あらゆる点で比較されてきたが、環境負荷の面でも、どちらが環境にやさしいのか、と言うことでいろいろな論議がなされてきた。
ソニ−株式会社テクニカルサポ−トセンタ−は、2000年12月、紙パルプ技術協会が発行する 「紙パ技協誌」(第54巻12号)に、「ビデオカメラ用包装材のCO2排出量評価」という
テ−マで、以下のようなレポ−トを行なっている。 本報告は、ビデオカメラ用包装材として使用されている、段ボ−ル、古紙パルプモ−ルド、およびEPS、比較検討用として新品パルプモ−ルド、R−EPSの原料輸送から包装材製造、電気製品製造所納入までの CO2排出量評価を行ない、環境対応包装材の設計指針を得ることを目的とした。
ここでは、包装材の廃棄工程について考慮していない。パルプモ−ルドおよびEPSについて、市場から回収、焼却、埋め立て処理の比率、また埋め立てされた場合の環境影響評価について、デ−タの入手が困難なためである。 各包装材1個あたりのCO2排出量(KG)は以下の通りとなっている。 |